悔いるほどの罰は,死刑以外にはない。でも,MSに誰も死刑を宣告しない,この生温い雰囲気は,なんだ?
マイクロソフト社は罰として公立学校に10億ドルのソフトとコンピューターの支払いを命じられたが,お礼を言うべきはマイクロソフトの方かもしれない。ソフトの「費用」はタダ同然で,CDにコピーするだけだ。無料で提供してソフトを広めることなど,なんの懲らしめにならず,それは同社を強大にするだけだ。
いろんなところでぉぃぉぃ…といわれているこの和解案。アップルのジョブズがあからさまにたて突いたのは,ちょっと驚いた(ZDNet Newsの記事)。MSからの資金援助を受けて以来,このような行動は意図的に避け続けていたはずなのに。
だがまぁ普通に考えたら,この和解案はMSが教育市場に足を踏み込むための「意図的な策略」であることはわかりきっていて,だからそこまであからさまに反対しているのだ。どうしようもない裁判を続けるのも無駄だが,だからと云ってさんざん罪を犯した者に痛みもなにもない,得でしかない和解案などあるものか,という感じだ。でもでも,ではどんな罪を与えればいいというのか? 現金で10億ドルを払わせれば,罰になるだろうか? それでMSは痛みを感じるだろうか? 実はその答えは,またMSを破壊するような裁判初期の論調に戻すだけで,またウンザリする時間を過ごすだけだ。私は死刑でいいと思っているが,八方ふさがりの裁判の,行く末はまだ誰も知らない。
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